フェロモン過剰とフェロモン不足

「ええっ、出会い系で会った人とすぐ寝てるわけ?」
僕はみずほの話に驚いて
思わず大声を出しそうになりました。
みずほは今彼氏を探していて
出会い系を使っているそうです。
会った人とはほとんどセックスしているといいます。
潔癖症で風俗にも行ったことがない私には
とても真似できません。

「出会う方法はどんなんだって、別にいいじゃない。
今は昔と違って、いろいろな出会う方法があるんだし」
みずほは平然としています。
目が大きくて、どことなく思いつめた表情が魅力なのです。
会った男が彼女と寝たいと思うのは当然です。
でも精神的に不安定なところがあります。
いや、それどころか精神科に通っているといっていました。
要するにメンヘラなのです。
もっともすぐやらせくれるだけでなく
危なげさもチャームポイントなのかもしれません。
みずほはいつもの思いつめたような目で
僕を見つめていいました。
「病気をもらうかどうか、なんて結局、運なんだから」

僕はため息をつきました。みずほにはかないません。
今はいろいろな出会う方法があるといっても
僕には全然使えません。
それは潔癖症のせいだけじゃなくて
コミュ症のせいもあると思います。
それでさんざん騙されてきました。
「この質問で彼女はイチコロ!」
出会い系で会った女を落とす方
そんな情報商材にいくら金を使ったか分かりません。
詐欺みたいなのもありましたし
そうでないのもありましたが
どうせ実践していないから身にはつかないのです。

でも女の子だって全員がみずほみたいなわけではありません。
たとえばともみ。
「はやく結婚したい」
ともみは会うといつもいいます。
でも彼氏はなかなかできません。
下着メーカーの販売員だから
まさか僕みたいにコミュ症ではないでしょう。
でもひょっとすると、潔癖症かもしれません。
「街コンとか相席酒場に行ってみたら」
そう勧めても絶対に行かないのです。
友だちを集めて合コンはやっています。
でも男性とはすぐに飲み友達になってしまいます。
ちょっとフェロモンが不足しています。
少しはみずほを見習って
思いつめた表情をするようにして
たまには行き当たりばったりで
男とセックスするようにならないと
婚活はなかなか難しそうです。

「世の中、不公平だなあ」
僕はそう呟いて空を見上げました。

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