父からのプレゼントの思い出

私の両親は私が1歳になる前に離婚していて、私は父のことをほとんど覚えていません。父は私が小学校に上がる前に再婚したようで、それ以来今に至るまで一度も会っていないのです。それでも母や祖父母のおかげで不自由なく暮らし、父がいない淋しさはそれほど感じたことはありませんでした。

そんな風にごく普通に日々を送っていた小学生の頃、ある日突然小さなオルゴールが届きました。それは白地に女の子と子犬の絵が描いてある可愛い小箱で、フタを開けると「さくらさくら」の曲が流れます。届けてくれたのは父と母の共通の古い友人で、父から頼まれたのだそうです。

何年も会っていない娘になぜいきなりオルゴールなんか買ってくれる気になったのか、どうして自分で持って来てくれなかったのかは今でも分かりません。あれから何十年たった今でもオルゴールはさくらさくらの曲を奏で、父と私をつなぐたった一つの絆になっています。

 

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